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展示作品を前に挨拶をする須崎代表
2010年2月20日(土)より3月14日(日)まで開催を予定している「朝霞市博物館テーマ展示 丸沼芸術の森25周年記念-所蔵コレクション展-」への展示予定作品を数回にわたって紹介する。今回は本展の中で[エコール・ド・パリの世界]とのテーマで展示する作品の一部。
美術用語には「バルビゾン派」や「印象派」など、特定の時代に関わりあった作家や作品を総称する為のものがある。19世紀から20世紀の境目になると「フォービズム」「キュビズム」「未来派」「ダダイズム」等々、非常に多くグループが現れる。美術や芸術が19世紀後半、印象派の発生と前後して王侯貴族を対象としていたのが、徐々に市民階級を対象としはじめ、「美」の基準も保守的、伝統的なものから、時代の変化を敏感に受け止める作家自身が発信するものへと変化してきはじめる。さらに作品を発表の場所も政府主導の「サロン」が唯一であった時代から、アンデパンダン展やサロン・ドートンヌ展などの、新たな表現を受け入れる展覧会が開催されるようになり、一層幅広い絵画表現を受け入れる社会的素地が出来上がり、多様な美術運動やグループの活動が活発化する事となる。ところで「エコール・ド・パリ」という言葉が示すものは、他の「印象派」や「キュビズム」とは赴きが異なる。というのは「エコール・ド・パリ」とは日本語で言えば「パリ派」となるが、他のグループは共通の美意識や主義などを持っているのに対して、この「パリ派」はそのような共通する主張などはない。20世紀初頭のパリでは、そのようなグループに属する事なく、それぞれの考える表現を求め、また、時にはカフェなどで芸術論をぶつけあっていた画家達が多数いる。後になってから、このような画家達をひとくくりで呼ぶ為に、この「エコール・ド・パリ」という名称は始まったものである。
さて、今回展示した5作品には象徴主義のギュスターブ・モロー、一般的にはむしろフォービズムとの関連で知られる作家の作品もある。ルオーやマルケの美術学校時代にモローに学んでいた事から参考として展示(朝霞市博物館では展示しない予定)、また、フォービズム関連作家についても、フォービズムの短い活動期間(1905年のサロン・ドートンヌ展を中心とする数年間)以降、キュビズムなどに関わる作家もあるが、多くは新たなグループに属さずに制作を続け、「エコール・ド・パリ」に分類される者が多い。朝霞市博物館での展示には、さらにモイズ・キスリング、藤田嗣治の作品も展示する予定である。
20世紀前半は2回に渡る世界大戦を始め、社会が劇的に変化した時代であったが、絵画においても、同じく劇的な変化が起こった時期と言える。これらの作品を通して、その変化の息吹を感じ取っていただければ幸いである。
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