丸沼芸術の森 〒351-0001 埼玉県朝霞市上内間木493-1
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丸沼芸術の森 コレクション
モーリス・ドニ 《果実を運ぶ女たち》《聖杯》
モーリス・ドニ(Maurice Denis 1870-1943)について

フランスの画家。私立美術学校のアカデミー・ジュリアン、公立校のエコール・デ・ボザールに学ぶ。 その後、ブルターニュ地方のポン=タヴェンで活動を行っていた、ポール・ゴーギャンの、 単純な輪郭線で区切られた色面によって画面を構成する絵画に強い影響を受ける。

そして、それまでの印象派や自然主義に対して、より新しい絵画を目指してパリでナビ(「預言者」を意味する)派を結成、 その中心人物となる。その作品は神秘的、幻想的、象徴性、装飾性を重視したものとなる。 「絵画が、軍馬や裸婦や何らかの逸話である以前に、本質的にある秩序で集められた色彩で覆われた平坦な表面であることを、思い起こすべきである」 (『新伝統主義の定義』1890年)と語り、20世紀の抽象芸術に影響を与えた。

だが、敬虔なカトリック教徒であったドニは後年、宗教絵画へ傾倒するようになり、主題を重視した作品に転じる。
飛び去った神
左:《果実を運ぶ女たち》 1892年頃 鉛筆・水彩、紙 20.5×17.5cm
右:《聖杯》 1912年頃 鉛筆・チョーク、紙 32×25cm

《果実を運ぶ女たち》について
牧歌的な風景の中、白い頭巾を被り、果実の入った器をその上に載せて歩む、 ブルターニュ地方を思わせる民族衣装の女達、この作品は、ドニ自身の理論に基づき、平面上に風景を、 色彩によって構成しようとする姿勢が読み取れる。
《聖杯》について
1912年完成する、シャンゼリゼ劇場の天井画をドニは担当する。丸天井を四つの長方形のパネルに区切り、 「ダンス」「オペラ」「交響曲」「歌劇」を描くが、「歌劇」はワーグナーの『パルジファル』をテーマにし、 その画面中央には聖杯を両手に掲げるパルジファルの姿が描かれている。本作はこの天井画の構想に関連して描かれたものかもしれない。
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